新築一辺倒の考えから一歩踏み出す
土地活用といえば「新築アパート」が一般的ですが、実は「納税額の最適化(節税)」という視点に立つと、中古物件を組み合わせる戦略には非常に大きなメリットがあります。
新築にはない最大の武器は、「減価償却費」を短期間で計上できるスピード感です。
元土地活用営業課長として、多くのオーナー様の資産設計をお手伝いしてきた経験から、中古木造物件がなぜ「効率的な資産形成ツール」になり得るのか、その仕組みをしっかり解説します。
なぜ「築22年超の木造物件」が戦略的価値を持つのか

節税効果は、「建物の取得費÷耐用年数」で計算される減価償却費の大きさで決まります。
法定耐用年数と減価償却の基本
【新築の場合】
建物の構造ごとに法定耐用年数が決まっており、その年数で取得費を分割して経費計上します。
・木造: 22年
・RC造(鉄筋コンクリート造): 47年
節税効果が遅い: 新築RC造(47年)の場合、減価償却が長期にわたるため、毎年の経費計上額が少なく、初期の節税効果は限定的です。
中古物件に適用される「耐用年数の特例」
【戦略の核心】中古物件は、法定耐用年数を過ぎている場合、耐用年数を極端に短く設定できる特例があります。
計算式: ![]()
具体例(最強の例):築22年を超える木造アパートの場合、上記の計算式ではなく、法定耐用年数(22年)の20%に相当する年数(22年 × 0.2 = 4.4年、端数切捨で4年)に設定できる可能性があります。
建物の取得費をわずか4年間で全額経費化できるため、短期的に非常に大きな節税効果を得られます。
【戦略構築】中古物件活用の具体的なステップ
この戦略を実行するには、「税務上の構造物価額」と「融資期間」が重要になります。
ステップ1:税務上の「建物比率」を最大化する
土地と建物を一括で購入する場合、建物の取得価格(=減価償却の対象)を最大化することが節税の鍵です。
売買契約書で、建物と土地の価格を明確に区分し、建物の価格を相場上限で設定できるよう交渉します。
建物の価格が高くなるほど、売却時の譲渡所得税が高くなるリスクもあるため、税理士と綿密に相談してください。
ステップ2:融資期間を「耐用年数以上」に設定する
減価償却(経費)が4年で終了する一方、ローンの返済期間を15年〜20年など、長期間設定することが重要です。
減価償却費 > ローン元本返済額 であれば、帳簿上は赤字(損益通算可能)だが、実際の手元現金はプラスになる「節税のゴールデンパターン」が成立します。
融資期間が長ければ、毎月の返済額が減り、キャッシュフローが安定します。
中古物件戦略の「リスク」と「出口戦略」
短期での節税効果が大きい反面、特有のリスクと出口戦略が必要です。
リスク1:大規模修繕費用の早期発生

築古物件は、購入後すぐに屋根、外壁、給湯器などの大規模修繕費用が発生する可能性が高いです。
取得費用の他に、「購入後3年以内に発生するであろう修繕費」を事前に総事業費に組み込んでおく。これらの修繕費も経費計上可能です。
リスク2:融資の難易度
築古物件は担保価値が低いため、銀行によっては融資期間が短くなったり、融資自体を断られたりする場合があります。
メガバンクだけでなく、地元の信用金庫や日本政策金融公庫など、中小規模の金融機関にも相談し、複数の融資先を確保する。
出口戦略:4年後の「売却」または「組み換え」
減価償却が終了する4年後が、一つの区切りとなります。
【方法1:売却】
減価償却が終わり、帳簿上の赤字が出なくなった時点で売却し、譲渡所得税の優遇税率(長期譲渡)を狙って利益確定する。
【方法2:組み換え】
そのまま保有を続け、次の節税戦略(新たな中古物件の購入など)に資金を充てる。
中古物件は「経費のスピード」を買う戦略
中古物件を活用した土地活用は、「経費のスピード」を買う戦略であり、非常に強力な節税効果を生みます。
1.築22年超の木造を探し、4年間での減価償却を狙う。
2.融資期間をできるだけ長く設定し、キャッシュフローを確保する。
3.修繕費のリスクを事前に計算し、予備費を確保する。
4.税理士と連携し、建物の取得価格を税務上有利なように調整する。
【ママ課長のワンポイントアドバイス】
中古物件による節税戦略は非常に強力ですが、最大の落とし穴は「出口(売却)」のタイミングを見誤ることです。
節税効果が切れた後、その物件を持ち続けるべきか、それとも手放すべきか。
不動産投資で最終的に手元に現金を残せるかどうかは、この「引き際」の判断で決まると言っても過言ではありません。
次の記事では大切な資産を守るための判断基準を培うための3つの鉄則をと考え方をまとめたので是非読んでください!
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